【建設業許可】専任技術者要件⑥ 屋根工事の場合

こんにちは。静岡県富士市の行政書士、髙橋なつきです。

建設業許可要件の中でも営業所の専任技術者に関する要件ついて、建設業許可29業種それぞれについて説明をしていくこのシリーズ、第6回目の今回は屋根工事について、専任技術者となれる国家資格及び実務経験要件について、説明していきたいとおもいます。

屋根工事とは、

瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事の事をいい、具体的な工事としては屋根ふき工事等が該当します。ここでいう屋根工事には、屋根断熱工事、屋根一体型の太陽光パネル設置工事も該当します。

なお、今回説明する内容は一般建設業許可に関するものとなります。特定建設業許可とは要件が異なりますのでご注意ください。

専任技術者とはなにか

専任技術者とは、建設業許可要件で営業所ごと・許可業種ごと配置することが義務づけられています。建設工事に関する業務を行うにあたり専門の知識を有すると認められる者の中で、営業所に専任で常勤している者が該当します。

専門の知識を有すると認められる者とは、建設業に関する国家資格や実務経験を有する技術者のことをいい、具体的には、

➀ 一定の国家資格

➁ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して一定の実務経験を有する者

➂ その他

※海外での工事の実務経験を有する者で、当該経験の内容につき国土交通大臣の個別審査を受け、一般建設業の営業所の専任技術者となり得る者として、その認定を受けたもの

が、該当します。

➂のその他に該当するケースは非常に稀で、➀一定の国家資格又は➁一定の実務経験をもって専任技術者の要件を満たすことがほとんどかと思います。

屋根工事における技術者資格要件

➀ 一定の国家資格を保有していること

屋根工事において、専任技術者として認められる国家資格は下記の通りです。

下記の資格を一つでも保有していれば、専任技術者としての要件を満たすことができます。

 ・建築板金「ダクト板金作業」(1・2級)※2級は実務経験3年必要

 ・板金「建築板金作業」・建築板金・板金工「建築板金作業」(1・2級)

                         ※2級は実務経験3年必要

 かわらぶき・スレート施工(1・2級)※2級は実務経験3年必要

 登録建築板金基幹技能者

一定の国家資格は他の建設業種でも専任技術者要件として認められるものもあります。

取得したい建設業種が複数ある場合は、戦略的に資格取得の計画を立てていくことをお勧めします。

➁ 一定の実務経験を有すること

屋根工事における専任技術者要件を実務経験で満たす場合、屋根工事に関し10年の実務経験を有する必要があります。

ただし、国土交通省令で定める学科を卒業した者については、実務経験要件に必要な期間が緩和されます。

屋根工事では、土木工学 又は 建築学に関する学科を卒業している場合、卒業学校に応じて実務経験が3年または5年に緩和されます

まとめ

今回は屋根工事における専任技術者要件について説明しました。

専任技術者は、建設業許可を取得するためには営業所ごとに必ず必要な者になります。

専任技術者が辞めてしまい、他に該当する技術者がいない場合、建設業許可要件を満たすことができなくなり、許可そのものの存続が困難になってしまいます。

専任技術者が辞めた場合は、14日以内に届出が必要ですが、届出をせず、専任技術者不在のまま操業し続けてしまうと、許可の取消など重い処分がなされ、事業に大きなダメージを与えることとなります。

そうならないためにも、専任技術者要件を満たす人材の確保や社内での資格取得など、スキルアップの奨励、そして従業員が引き続き働き続けたいと思うような職場環境づくりが大切になってきます。

建設キャリアアップシステムによる評価やキャリアの見える化も、職場環境を向上させるには有効でしょう。

では、ここまでお読みいただきありがとうございました。

富士市の行政書士、髙橋なつきでした。

【これまでのブログはこちらから】

専任技術者要件➀ 土木一式工事の場合

専任技術者要件➁ 建築一式工事の場合

【建設業許可】専任技術者要件➂ 大工工事の場合

【建設業許可】専任技術者要件④ とび・土工・コンクリート工事の場合

【建設業許可】専任技術者要件⑤ 石工事の場合

Follow me!