BCPにおける防災計画2

こんにちは、経営支援担当の高橋祐貴です😊

前回の6月21日に続き、静岡県富士市の市民講座「防災力UP講座」第2回目に参加しました。

今回の講座では、水害・土砂災害の観点からBCPを考えることができました。

(BCPと防災計画は違いますが、BCPは防災計画を包括するものです

前回の講座では対策として「行動すること」を学びました。

今回の防災力UP講座から得たことは

「水害は事前に予測が可能であり対策効果が高い」ことです。

  • 企業立地から、事前にハザードマップを確認
  • 最新の気象情報、市町村の情報を把握して行動できる準備を完了

これらをBCPや防災計画を立てる

=自然災害リスクからみた企業存続のサステナブル条件です!

以下、個人や家庭での防災計画での対策としてもいえることですが、

企業としてのBCPや防災計画の参考になると思いますのでご活用いただければ幸いです。

日本は水害だらけ

国土交通省水害統計の資料です。

データは平成ですが、日本全国水害だらけであることがわかります。

この10年間で水害土砂災害が無かった市町村はわずか3%しかありません。

つまり、どこにいても水害・土砂災害被害の危険があることを私たちは認識するとともに、

水害・土砂災害に備えておく必要があります。

企業組織においては、

事前に大雨や洪水になることがわかっていたにも関わらず、

勤務時間中に大雨・集中豪雨が発生して

たちまち身動きが取れなくなってしまったということが想像できます。

事前に天気予報では事前に大雨になることがわかっていても、

会社からの特段の指示が無ければ通常に勤務して業務に取り掛かってしまうからです。

自然災害にかかわらず、リスクに対しては権限が高いリーダーが中心となって積極的に従業員に声掛けを行う必要があります。

トップダウンで指揮命令を行い、明確な判断軸の下で周知させておくことがBCPにおいても重要です。

水害は私たちのすぐ近くに

私たちの日常生活では、

特に夏から秋にかけて台風や豪雨として大きな水害、洪水がニュースで報道され、

年々、水害・土砂災害に対する意識は高くなっているのではないでしょうか。

当事務所の所在します静岡県富士市を例にしますと、

昨年令和3年7月1日にありました。

この集中豪雨で、須津地区、浮島地区、江尾地区で大きな水害があり、大棚の滝周辺では土砂崩れが発生しました。

出所:2021/7/4静岡新聞ニュース 
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/924407.html

富士市の危機管理課のまとめによると、

この時はゴムボートで住民を移動させたり、災害トイレの配布を中心に行ったとのことです。

水害は収まってきた後も大変

実は大変なのが水害が収まってきた後のことです。

企業としては、得意先、仕入先、関係機関と連絡対応に追われます。

そして、床上浸水までになってしまった場合、何よりも負担になるのが泥の処理です。

事務所内や倉庫内にも浸水している場合は、水以外にも泥で大きな被害が出てしまいます。

床上浸水が引いた後は地区全域が泥だらけです。

静岡県富士市で発生した洪水の災害時は、

豪雨が収まったのち、雨が完全に止み水位が高くならなくなった後、

市の危機管理課、消防本部、地元消防団、ボランティアでは

公衆衛生として緊急に泥だらけの家屋や道路の清掃活動に追われたとのことでした。

近隣の中小企業も同様の被害にあわれたことが想像できます。

この富士市での水害で、もっとも必要とされたのは飲み水や食料ではなく「携帯トイレ」や「タオル」とのことでした。

企業は災害トイレを必ず準備しておこう

地震におけるBCPの記事にも書きましたが、

人は少なくとも1日5回はトイレに行きます。

洪水などによる水害時は、トイレや下水道の流れ、

水圧調整ができなくて水が流れなくなるために、

やはりトレイは困るとのことです。

前回のBCPによる防災計画で述べましたが、

携帯トイレ、災害トイレは必ず企業で組織人数分(できれば人数×5回分)は用意しておきましょう

出所:Qbit社ホームページ https://qbithome.myshopify.com/

今では、50回分のトイレも数千円で買えるようです。

いくつか種類があるので、ホームセンターやネット検索で購入しましょう。

水害のハード対策とソフト対策

ここでいうハード対策とは、人が水害に対して行う対策として建設工事です。

一方、ソフトとは企業組織によるBCPや防災計画、主体的な避難、所在地域の自治やコミュニティのことです。

例えば、BCPでもモノの準備リストを作成して、

モノ用意できているか、使用できるか、まだ準備できていないモノは、いつまでに準備するかをリストに記載して備えます。

ハード対策としての水害対策工事、例えば貯水地の建設や側溝工事をただ待っているだけでは、

日常的に起こるリスクをカバーすることは時間がかかるために、

ソフト対策は水害に対して即効性の高い有効な対策手段になります。

ハザードマップで企業所在地のリスクを知ろう

いざというときに、企業組織が主体的になって自社の従業員、その家族までを守ることができるよう、

災害対策についてもBCPに組み入れておく必要があります。

(BCP策定は負担がかかるという場合は、避難計画と携帯トイレだけでも設けておきましょう。)

そして、自然災害に関して、企業におけるBCP、防災計画では、

市町村が公表している「ハザードマップ」が参考になります。

富士市では「防災マップ」というものが公表されています。

防災マップとは、市町村内における防災予想、対策が記されていますので大変参考になります。

当たり前の防災計画をすることも大事ですが、

企業所在地におけるハザードマップ・防災マップを確認して、

企業所在地ではどのようなリスクがあるのかを知ったうえで、地域と自社に合った対策を考える必要があります。

ハザードマップ・防災マップは各市町村ホームページで確認できますのでおおいに活用しましょう。

まとめ

  • 日本は水害だらけで対策が必要
  • 携帯・災害トイレは今すぐ用意
  • ハザードマップ、防災マップで企業所在地の情報を確認

一般家庭とは異なり、

企業が水害に合われたときは被害額が大きく、

事業継続、復旧までには長い時間が必要となります。

経営的観点から、事前にBCPを策定して自然災害、水害の対策を考え、

半年に1回は防災訓練の一つとして計画を見直すことをお勧めします。

以上、高橋祐貴でした😊

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