【建設業許可】専任技術者要件⑧ タイル・れんが・ブロック工事の場合
こんにちは。静岡県富士市の行政書士、髙橋なつきです。
建設業許可要件の中でも営業所の専任技術者に関する要件ついて、建設業許可29業種それぞれについて説明をしていくこのシリーズ、第8回目の今回はタイル・れんが・ブロック工事について、専任技術者となれる国家資格及び実務経験要件について、説明していきたいとおもいます。
なお、今回説明する内容は一般建設業許可に関するものとなります。特定建設業許可とは要件が異なりますのでご注意ください。
タイル・れんが・ブロック工事とは
タイル・れんが・ブロック工事とは、
れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、または工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、またははり付ける工事
をいい、具体的には
コンクリートブロック積み(張り)工事、れんが積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事、サイディング工事などが該当します。(建設業許可事務ガイドライン別表1:平成13年国土交通省建設業課長通知第97号より)
他業種との区分けについて(「建設業許可事務ガイドライン(平成13年国土交通省建設業課長通知第97号)」より)
コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が、「タイル・れんが・ブロック工事」における「コンクリートブロック積み(張り)工事」になります。
なお、「タイル・れんが・ブロック工事」における「スレート張り工事」とは、スレートを外壁等にはる工事を内容としており、スレートにより屋根をふく工事は「屋根ふき工事」として「屋根工事」に該当します。
「とび・土工・コンクリート工事」における「コンクリートブロック据付け工事」とは、根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事やプレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等を指します。
「石工事」における「コンクリート積み(張り)工事」とは、建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事やのり面処理、または擁壁としてコンクリートブロックを積み、またははり付ける工事が該当します。
専任技術者とは
専任技術者とは、建設業許可要件で
営業所ごと・許可業種ごと配置することが義務づけられています。
建設工事に関する業務を行うにあたり専門の知識を有すると認められる者の中で、営業所に専任で常勤している者が該当します。
専門の知識を有すると認められる者とは、建設業に関する国家資格や実務経験を有する技術者のことをいい、具体的には、
➀ 一定の国家資格
➁ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して一定の実務経験を有する者
➂ その他※海外での工事の実務経験を有する者で、当該経験の内容につき国土交通大臣の個別審査を受け、一般建設業の営業所の専任技術者となり得る者として、その認定を受けたもの
が、該当します。
➂のその他に該当するケースは非常に稀で、➀一定の国家資格又は➁一定の実務経験をもって専任技術者の要件を満たすことがほとんどかと思います。
タイル・れんが・ブロック工事における専任技術者 資格要件
➀ 一定の国家資格を保有していること
タイル・れんが・ブロック工事において、専任技術者として認められる国家資格は下記の通りです。
下記の資格を一つでも保有していれば、専任技術者としての要件を満たすことができます。
- 一級建築施工管理技士
- 二級建築施工管理技士(躯体)
- 二級建築施工管理技士(仕上げ)
- 一級建築士
- 二級建築士
- タイル張り・タイル張り工(1・2級)※2級は3年の実務経験必要
- 築炉・築炉工・れんが積み(1・2級)※2級は3年の実務経験必要
- ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工(1・2級)※2級は3年の実務経験必要
- 登録エクステリア基幹技能者
- 登録タイル張り基幹技能者
- 登録ALC基幹技能者
一定の国家資格は他の建設業種でも専任技術者要件として認められるものもあります。
取得したい建設業種が複数ある場合は、戦略的に資格取得の計画を立てていくことをお勧めします。
➁ 一定の実務経験を有すること
タイル・れんが・ブロック工事における専任技術者要件を実務経験で満たす場合、タイル・れんが・ブロック工事に関し10年の実務経験を有する必要があります。
ただし、国土交通省令で定める学科を卒業した者については、実務経験要件に必要な期間が緩和されます。
タイル・れんが・ブロック工事では、土木工学又は建築学に関する学科を卒業している場合、卒業学校に応じて実務経験が3年または5年に緩和されます。
まとめ
今回はタイル・れんが・ブロック工事における専任技術者要件について説明しました。
専任技術者は、建設業許可を取得するためには営業所ごとに必ず必要な者になります。
専任技術者が辞めてしまい、他に該当する技術者がいない場合、建設業許可要件を満たすことができなくなり、許可そのものの存続が困難になってしまいます。
専任技術者が辞めた場合は、14日以内に届出が必要ですが、届出をせず、専任技術者不在のまま操業し続けてしまうと、許可の取消など重い処分がなされ、事業に大きなダメージを与えることとなります。
そうならないためにも、専任技術者要件を満たす人材の確保や社内での資格取得など、スキルアップの奨励、そして従業員が引き続き働き続けたいと思うような職場環境づくりが大切になってきます。
建設キャリアアップシステムによる評価やキャリアの見える化も、職場環境を向上させるには有効でしょう。
では、ここまでお読みいただきありがとうございました。
富士市の行政書士、髙橋なつきでした。
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