経営事項審査 主な改正点について(令和5年1月1日から)
こんにちは。静岡県富士市の行政書士、髙橋なつきです。
本日は、令和5年1月1日から改正される経営事項の審査基準について、主な改正内容について触れていきたいと思います。
今回の主な改正は4点です。これからその4点についてお話していきます。
なお、今回改正される4点は、すべて経営事項審査におけるW点(その他(社会性等)に関する評点)に影響する項目となります。
経営事項審査を受審されている方はぜひ参考にしてみてくださいね♪
それでは、スタート!
経営事項審査改正ポイント1:ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況の新設
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定」、「次世代育成支援対策推進法に基づく認定」、および「青少年の雇用の促進等に関する法律に基づく認定」について、審査基準日における各認定の取得をもって評価します。
えるぼし評価を受けている場合、プラチナえるぼしでは5点、えるぼし(3段階目)で4点、えるぼし(2段階目)で3点、えるぼし(1段階目)で2点の加点となります。
くるみん認定を受けている場合には、プラチナくるみんで4点、くるみん認定で3点の加点となります。
ユースエール認定を受けている場合は4点の加点となります。
なお、上記の複数の認定を受けている場合には、最も点数の大きいものが加点されます。
ちなみにえるぼし認定とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下、「女性活躍推進法」)に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を認定する制度です。 また、えるぼし認定企業のうち、より高い水準の要件を満たした企業は「プラチナえるぼし認定」を受けることができます。(女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」|職場情報総合サイト しょくばらぼ|職場情報開示に積極的な企業紹介 (mhlw.go.jp)より)
くるみん認定とは、「子育てサポート企業」を厚生労働大臣が認定する制度です。次世代育成支援対策推進法に基づき行動計画を策定し、その行動計画に定めた目標を達成するなどの一定の要件を満たした場合、申請により認定を受けることができます。
くるみん認定企業が、より高い水準の取組を行い一定の要件を満たした場合、申請により、優良な「子育てサポート」企業として、厚生労働大臣より「プラチナくるみん認定」を受けることができます。(「くるみん認定」を取得したいのですが、どのような取り組みをしたら良いですか | ビジネスQ&A | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト] (smrj.go.jp)より)
ユースエール認定とは、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。
上記認定のいずれかを受けている場合は加点対象となります。
この場合、確認書類として各認定を取得していることを証する書面(基準適合一般事業主認定通知書等)の写しを添付します。
経営事項審査改正ポイント2:建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況の新設
※こちらの評価項目は令和5年8月14日以降を審査基準日とする申請から適用されます
審査基準日以前1年のうちに発注者から直接請け負った審査対象工事(※)において、建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積する措置(※)を実施している場合に評価されます。
これは、対象現場での建設キャリアアップシステムの運用が評価されるようになるということです。
加点要件は
・審査対象工事のうち、民間工事を含むすべての建設工事で該当措置を実施した場合は+15点
・審査対象工事のうち、すべての公共工事で該当措置を実施した場合は+10点 となります。
経営事項審査改正ポイント3:建設機械の保有状況の改正
今回の改正で、加点対象となる建設機械が追加されます。
対象建設機械の確認方法は従来と変わらず、自己所有又は審査基準日から将来にわたって1年7か月以上のリース契約を締結しており、かつ定期検査が行われていることが必要です。
なお定期検査とは、ダンプの場合は自動車検査(車検)、その他の建設機械は特定自主検査を指します。
※「ダンプ車」については、令和5年1月1日以降については、令和5年1月1日以降については建設業の届出をして表示番号の指定を受けていることは確認しません。
経営事項審査改正ポイント4:国または国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況の改正
国または国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況(W8)において、あらたにエコアクション21認証が加点対象となります。
なお、対象となる規格とそれぞれの加点は、
ISO9001認証が5点、ISO14001認証が5点、エコアクション21認証が3点となります。
※ISO14001とエコアクション21はダブルで加点を受けることはできません。(どちらか一方のみの加点となります)
そのため、W8の最高得点は10点です。
さらにもう一点:審査基準日が令和5年8月14日以降は評点Wの計算式が変わります
令和5年1月の改正では、令和5年8月14日以降の評点Wの計算式も変更になります。
令和5年8月14日以降が審査基準日の場合、評点「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置」が新たに追加されることに加え、すべての評点を足してでた総数に掛けていた係数が1,900/200から1,750/200へ下がります。
ということは、すなわちこれまでと同様の取組をしていた場合、評点Wの総得点は下がってしまうのです。
たとえば、これまで評点Wが700点あった事業者がいたとします。
令和5年8月13日までの審査基準日であれば、700点とるためには係数を掛ける前の総得点は73点とればよかったのですが、
令和5年8月14日以降の審査基準日では、同じ700点を取るためには係数を掛ける前の総得点で80点取る必要がある、ということです。
建設キャリアアップシステムへの取組がますます重要になってきます
上記の例では、評点Wでこれまでと同じ点数を取るためには、いままでよりも8点多く得点を稼がなくてはなりません。
ここで、新たに評点に加わった「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置」への取組です。
建設キャリアアップシステムに登録し、現場情報の登録及び現場でICカードや顔認証システムを導入することで、取組に応じて10点または15点が加算されます。
その意味でも、建設キャリアアップシステムへの取組は今後ますます重要になってきそうです。
この機会に、現場での建設キャリアアップシステム導入を進めてみるのも一つではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?
今回は令和5年1月に改正される経営事項審査のポイントについてお話してきました。
加点を目指す場合には、改正のポイントを押さえて、自社で取り組みやすい評点から進めてみてくださいね。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
行政書士の髙橋なつきでした。
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