【建設業許可】専任技術者要件 消防施設工事の場合

こんにちは。静岡県富士市の行政書士、髙橋なつきです。

大型の台風が上陸した週末、皆様お住まいの地域はご無事でしたでしょうか?

祖父の住む山口県は中心にかなり近かったようで、これまでに経験したことのない状況のようでした。

改めて、被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。

今朝の富士市はかなりひんやりとした朝でした。

少しずつ、秋は近づいてきていますね。

さて、建設業許可要件の中でも営業所の専任技術者に関する要件ついて、

建設業許可29業種それぞれについて説明をしていくこのシリーズ、今回は消防施設工事について、

専任技術者となれる国家資格及び実務経験要件について、説明していきたいとおもいます。

なお、今回説明する内容は一般建設業許可に関するものとなります。

特定建設業許可とは要件が異なりますのでご注意ください。

消防施設工事とは

消防施設工事とは、

火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける公共下水道

工事

をいいます。

具体的な工事としては、

屋内消火栓設置工事

スプリンクラー設置工事

水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事

・屋外消火栓設置工事

・動力消防ポンプ設置工事

・火災報知設備工事

漏電火災警報器設置工事

非常警報設備工事

金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋、又は排煙設備の設置工事 

 等が該当します。

「金属製避難はしご」とは、火災時等にのみ使用する組立式のはしごであり、ビルの外壁に固定された避難階段等はこれに該当しません。

固定された避難階段を設置する工事は「消防施設工事」ではなく、

建築物の躯体の一部の工事として「建築一式工事」または「鋼構造物工事」に該当します。

また、「機械器具設置工事」との区分の考え方は、

「機械器具設置工事」には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、

機械器具の種類によっては「電気工事」「管工事」「電気通信工事」「消防施設工事」等と重複するものがありますが、

これらについては、原則として「電気工事」等それぞれの専門の工事に区分するものとし、

これらのいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が「機械器具設置工事」に該当します。

(建設業許可事務ガイドライン別表1:平成13年国土交通省建設業課長通知第97号より)

専任技術者とは

専任技術者とは、建設業許可要件で

営業所ごと・許可業種ごと配置することが義務づけられています。

建設工事に関する業務を行うにあたり専門の知識を有すると認められる者の中で、

営業所に専任で常勤している者が該当します。

専門の知識を有すると認められる者とは、

建設業に関する国家資格や実務経験を有する技術者のことをいいます。

具体的には、

➀ 一定の国家資格

➁ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して一定の実務経験を有する者

➂ その他※海外での工事の実務経験を有する者で、当該経験の内容につき国土交通大臣の個別審査を受け、一般建設業の営業所の専任技術者となり得る者として、その認定を受けたもの

が、該当します。

➂のその他に該当するケースは非常に稀で、

➀一定の国家資格又は➁一定の実務経験をもって専任技術者の要件を満たすことがほとんどかと思います。

消防施設工事における専任技術者 資格要件

 一定の国家資格を保有していること

消防施設工事において、専任技術者として認められる国家資格は下記の通りです。

下記の資格を一つでも保有していれば、専任技術者としての要件を満たすことができます。

 

 【登録技能者】

➁ 一定の実務経験を有すること

消防施設工事における専任技術者要件を実務経験で満たす場合、消防施設工事に関し10年の実務経験を有する必要があります。

ただし、国土交通省令で定める学科を卒業した者については、実務経験要件に必要な期間が緩和されます。

作成:髙橋なつき行政書士事務所

消防施設工事では

建築学

機械工学

電気工学

に関する学科を卒業している場合、卒業学校に応じて実務経験が3年または5年に緩和されます。

まとめ

今回は消防施設工事における専任技術者要件について説明しました。

専任技術者は、建設業許可を取得するためには営業所ごとに必ず必要な者になります。

専任技術者が辞めてしまい、他に該当する技術者がいない場合、

建設業許可要件を満たすことができなくなり、許可そのものの存続が困難になってしまいます。

専任技術者が辞めた場合は、14日以内に届出が必要ですが、

届出をせず、専任技術者不在のまま操業し続けてしまうと、許可の取消など重い処分がなされ、事業に大きなダメージを与えることとなります。

そうならないためにも、専任技術者要件を満たす人材の確保や社内での資格取得など、

スキルアップの奨励、そして従業員が引き続き働き続けたいと思うような職場環境づくりが大切になってきます。

建設キャリアアップシステムによる評価やキャリアの見える化も、職場環境を向上させるには有効でしょう。

では、ここまでお読みいただきありがとうございました。

富士市の行政書士、髙橋なつきでした。

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