祖母の相続と夏休み

こんにちは。静岡県富士市の行政書士、髙橋なつきです。

先週1週間、長めの夏休みをいただいておりました!

長い休みの間に心身ともにリフレッシュできたので、今週からお仕事を頑張りたいとおもいます♪

ブログも更新していきますので、ぜひお付き合いくださいませ♪

今日は夏休みのお話を。

夏休み中は両親と息子たちと祖父のいる山口県へ行ってきました。

6月に祖母が他界し、今年は新盆。

祖母はクリスチャンであったため、祖母が生前よく通っていた教会へ行き、

祖母のお骨が納められた部屋で静かに手を合わせてきました。

小さなころは、夏休みになると家族で祖父母が暮らすその町へ行き、

花火をしたりプールにいったり、夏らしいことをたくさんしました。

今でも町の匂いを嗅ぐと、その当時の夏休みのわくわくした気持ちを思い出して

少し切なくなります。

夕時には家族があつまり、叔父が釣ってきた魚と叔母の手料理とともに、にぎやかに過ごしました。

生前の祖母の思い出話から、若かりし頃のことまで、大人になって初めて知ることも沢山あり、

そんな話ができたことがすごくうれしく、とても良い時間となりました。

DSC_2206

昔よく遊んだ祖父の家の前の空き地にはアパートが建ち、

真っ白だった襖は茶色く色あせていて、

当たり前にいた祖母の姿はもうない。

色々なことの変化を否応なしに感じる中、

改めて、時間は有限で終わりがあること、

そしてだからこそ尊いのだな、と

祖父と話す息子の姿を遠目で見ながら

しみじみ、本当にしみじみと、そう思ったのでした。

そして本題:相続の手続きをしてきました

今回、私が山口へ行った大きな目的の一つは祖母の相続手続きをすることでした。

祖母が亡くなった際、

「どうしたらいいのか右も左もわからない。おまえやってくれ」

と、父から頼まれたことがきっかけで、

祖母の相続手続き全般を受けることになりました。

相続手続きとして今回行ったことは以下の5点です。

① 祖母の財産を調査し、目録を作成する

② 事前にそれぞれの財産の名義変更及び解約手続きを調べ、必要書類を取り寄せる

③ 法定相続情報一覧図を作成する

④ 遺産分割協議書をまとめる

⑤ 財産名義変更・解約手続き

① 財産の調査・目録の作成

相続手続きを行うにあたり、まずは祖母の財産を調査しました。

調べた結果、祖母の財産は以下の3種類に分けて存在することがわかりました。

1,預金

2,不動産(土地)

3,生命保険

幸い、祖母は自分の取引のある金融機関の通帳・カードなどをひとまとめにしてあり、

祖父も取引金融機関についてはよく知っていたので、取引金融機関については問題なく把握することができました。

土地についても、購入した際の権利書類がきれいにまとまっていたため、

土地の名義変更が必要なことも確認することができました。

また、生命保険についても保険会社より送付される「お取引状況のお知らせ」が存在していたので、

こちらもすぐに確認ができました。

② それぞれの財産の解約・名義変更手続きについて確認、書類を請求

財産が確認できたら、次はその財産の解約・名義変更手続きについて調べ、

必要な書類を取り寄せました。

祖母は2行の金融機関と取引があったので、それぞれの金融機関のHPより必要な手続きに関するページを確認しました。

それぞれの金融機関をA銀行・B銀行とすると、

・A銀行:ネットで資料を取り寄せ、郵送でやりとり

・B銀行:直接窓口へ行き手続き

と、同じ「預金解約手続き」でも、対応は全く異なりました。

A銀行は必要に応じて専門家のアドバイスを受けることもでき、

手続きは簡潔かつかゆい所に手の届くサービスで好感を持ちました。

必要書類を事前に請求しておき、山口にいる間にすべての手続きが完結できるよう、まとめておきました。

③ 法定相続情報一覧図の作成 /④ 遺産分割協議書をまとめる

相続手続きをするにあたり、相続関係説明図も作成しました。

相続関係説明図は、相続人の戸籍謄本、印鑑証明書等必要書類と一緒に、

作成した法定相続情報一覧図を提出することで、法務局にて認証文を付した写しの交付を受けることができます。

この写しがあれば、各金融機関ごとに戸籍謄本の束を提出する必要がなく、

手続きの手間や時間を省略することができるので、とても便利です。

現在,相続手続では,お亡くなりになられた方の戸除籍謄本等の束を,相続手続を取り扱う各種窓口に何度も出し直す必要があります。

 法定相続情報証明制度は,登記所(法務局)に戸除籍謄本等の束を提出し,併せて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を出していただければ,登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付します。

 その後の相続手続は,法定相続情報一覧図の写しを利用いただくことで,戸除籍謄本等の束を何度も出し直す必要がなくなります。

「法定相続情報証明制度」について:法務局 (moj.go.jp)

遺産分割協議書は、事前にある程度内容を聞き、草案を作成していきました。

現地では、内容の説明をしたうえで、改めて相続人3人の意向を聞き、

最終形にしたものを印刷して署名・捺印してもらいました。

⑤ 財産名義変更・解約手続き

教会でのお参りを終え、土地の名義変更と預金解約手続きをしに各機関へ出向きました。

土地の名義変更は正味10分くらいでしょうか。担当者さんが書類を確認し、返信用封筒を渡して完了しました。

(!)ちなみに、お客様の相続手続きでは、土地の名義変更は司法書士の業務となり行政書士は受任することはできません。

今回は、親族として手続きを行う(=業として行うのではない)ため、名義変更まで行いました。

預金解約手続きも祖父に同行して行い、お昼前にはすべての手続きを終えることができました。

親族の相続手続きを通じて感じた やってよかったこと

祖母の年表を作ってよかった

相続手続きを大きな目的とした今回の山口訪問。祖母がいなくなって初めての夏ということもあり、

自然と昔話に花が咲きます。

訪問前に、戸籍謄本をもとに祖母の簡単な年表を作成していったのですが、

この年表を眺めながら、祖母の兄弟のこと、結婚をするときの話など、

そこにいる人たちが祖母にまつわるたくさんの思い出話をしてくれました。

孫の私は当然初めて聞くことが多く、大変興味深かったのですが、

思い出話をしている祖父や父・叔父が祖母を懐かしみながら話す姿は

とても温かく、何とも言えないいい時間を過ごすことができました。

家系図を作成するのも一つですが、時間がかかる作業ですので、

故人の生涯にスポットを当てて、年表の作成してみるのはオススメです。

戸籍謄本はそのままだと時系列や事実が煩雑な部分があるかと思います。

昔の戸籍であればあるほど、手書きでの記載や旧字体もあり、

その場で確認できる情報も限られてしまいます。

もし時間があれば、戸籍謄本をじっくり見て経歴を箇条書きにしておくだけでも

皆で共有できる内容がぐっと広がります。

相続手続きには、戸籍謄本が必ず必要になりますので、

取得しておしまいではなく、是非故人を偲ぶ席での思い出話の一つとして

ゆっくり解読してみてはいかがでしょうか。

財産をまとめておいてくれてよかった

今回、祖母の相続手続きはかなりスムーズに行うことができました。

これは、祖母が財産を他者が見てもわかるように管理していてくれたことが大きな要因であると思います。

現代は、金融機関の数も多く、インターネットで預金取引や投資信託を行うことも一般的になっています。

当然通帳もなく、他者が取引の実態を確認することは難しくなります。

万が一、相続が発生したときに、

「どこ(金融機関)に、なに(資産)を預けているのか・取引しているのか」

は、わかるようにしておくことも遺された人への素敵な心遣いであると思います。

現在、様々な種類のエンディングノートが出版されております。

エンディングノートには、自分が亡くなった時の葬儀の方法や、感謝の気持ちなど

パーソナルな部分を書くことができることはもちろん、

自分の財産についてまとめるページもあり、

「私個人について知ってほしいこと」をきれいにまとめることができます。

ノートの分量も種類によってさまざまです。

自分の万が一の時を想像して書くことは想像以上に労力が必要になるかと思いますが、エンディングノートは取り組める部分から書き始めていくと、自分自身の心の整理もでき、オススメです。

まとめ おばあちゃんありがとう

今回、当事者(親族)として大切な人が亡くなる経験をしたことで、相続手続きが故人を偲ぶ時間となり、

親族をつないでくれるとてもいい時間となることを身をもって感じました。

今年は例年以上に祖母を思い出し、知らなかった祖母の姿に思いをはせ、

限りある時間の尊さに切なさを感じる時間となりました。

有限である時間を、いい形で次につなげられるよう、しっかり生きていきたいと思った令和4年の8月でした。

今回はほとんど私的な日記のようになってしまいました(笑)

とりとめのないブログをここまでお読みいただきありがとうございました。

8月も最終週にさしかかろうとしており、秋の入り口が見え始めています。

皆様にとって、この夏はどんな夏でしたか?

疲れのでやすい時分、お体くれぐれもご自愛くださいませ。

行政書士の髙橋なつきでした。

解決ユキマサくん!(遺産相続編):日本行政書士連合会HPリンク

相続・家事|よくある相談事例|静岡県行政書士会

ご利用の流れ  富士市 高橋なつき行政書士事務所 (office-takahashich.com)

Follow me!